発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002056372
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52歳男.前胸部痛と呼吸困難を主訴とし,精査の結果,甲状腺原発と考えられた.粘液産生細胞は甲状腺組織内に本来は存在せず,粘液産生性腺癌はきわめて稀である.砂粒腫小体,核内封入体を認めており乳頭腺癌との関連も考えられた.入院時の胸部X線像上では左側胸水を認めるのみであったが,その後腫大したリンパ節が気管支を圧排し右上葉無気肺をきたした.除痛を目的とした対症療法で頸部,縦隔,第一胸椎に放射線照射を行い,全身状態の改善とともにadriamycin,cisplatin,etoposideによる化学療法を実施したが,効果なく死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2001