原著
子宮頸部擦過細胞診における頸管円柱上皮細胞について
楠山 洋司
1
,
吉田 恵
1
,
細道 太郎
2
,
馬渕 義也
2
,
横田 栄夫
2
,
栗林 恒一
3
Yoji Kusuyama
1
,
Megumi Yoshida
1
,
Taro Hosomichi
2
,
Koichi Kuribayashi
3
1和歌山労災病院病理
2和歌山労災病院産婦人科
3和歌山医科大学第2病理
pp.95-97
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207725
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
子宮頸部擦過細胞診で,同一人に綿棒法及びスパーテル法を施行し,クラスⅢa+Ⅲbの出現率をスメア中の頸管円柱上皮細胞(EC細胞)の有無により差異があるかどうか検討した。
1)閉経前2,826人中,スパーテル法でEC細胞の出現は52.5%,綿棒法で20.3%と明らかな差がみられた(P<0.01)。2)クラスⅢa+Ⅲbの出現率はスパーテル法で1.73%,このうちEC細胞(+)で2.36%,EC細胞(−)で1.04%,綿棒法で1.34%,EC細胞(+)で2.27%,EC細胞(−)で1.11%であった。両方の間に,出現率差はみられなかったが,両方ともEC細胞(+)群とEC細胞(−)群の間には有意な差がみられた(P<0.05)。3)クラスⅢa+Ⅲbの検出には,スメア中のEC細胞の有無が大切な要因であり,EC細胞の有無を報告する必要があると考えられる。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.