原著
肥満妊婦の妊娠・分娩について
有澤 正義
1
,
木戸口 公一
1
,
和田 芳直
1
,
藤田 富雄
1
,
今井 史郎
1
,
末原 則幸
1
,
林 昭
1
,
竹村 喬
1
Masayoshi Arizawa
1
1大阪府立母子保健総合医療センター
pp.189-192
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207954
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妊娠前に肥満があれば妊娠・分娩合併症を伴い易く,妊娠中の体重コントロールがその治療法であると報告されている。しかし,妊娠中に体重をコントロールしてもそれらの合併症を防ぎきれないものもあるので妊娠中の体重増加と合併症について検討した。妊娠前の身長,体重がわかっているもの6,424例のうち,Broca指数が120%以上のものは315例(4.9%)認められた。これらについて,妊娠前のBroca指数が120%以上のものは平均年齢が高く,平均身長が低く,平均体重も重く,経産婦の割合も高いことが認められた。また,妊娠・分娩合併症の割合も新生児体重が1.5SD以上(以下HFDと略す)のものの割合もいずれもBroca指数が120%以上のものに有意に高かった。さらに妊娠中の体重増加を5kg以下におさえたからといってもHFDの発症を防ぐことはできなかった。よって,妊娠・分娩合併症にとっては妊娠中の体重のコントロールより妊娠前の肥満度の方がより重要であると考えられた。
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