原著
細胞診よりみたHuman papillomavirus感染症について
楠山 洋司
1
,
吉田 恵
1
,
細道 太郎
2
Yoji Kusuyama
1
,
Megumi Yoshida
1
,
Taro Hosomichi
2
1和歌山労災病院,中検
2和歌山労災病院,産婦人科
pp.77-79
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207934
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細胞診よりみたHuman papillomavirus感染症(HPV症)につき下記の結果を得た。
1.最近4年間で0.16%の頻度であり,0〜19歳0.90%,20歳台0.27%,30歳台0.14%,40歳台0.17%,50歳以上0%と若年者に多くみられた。
2.4年間の年次変化では,0.20%,0.09%,0.13%,0.20%と横ばいであった。
3.組織診施行例では,15例中11例はkoilocytosis with or without dysplasiaで,残り4例はmild dysplasiaのみであった。
4.経過観察し得た10例では,消失9例,持続1例であった。
5.HPV症検出には,スパーテル法(25/26に陽性)の方が綿棒法(15/26に陽性)よりすぐれていた。
細胞診によるHPV症検出は,検出率は高くはないが,特異性にすぐれていると思われる。
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