生涯研修セミナー 妊娠中毒症
治療の実際
一條 元彦
1
,
奥 正孝
1
Motohiko Ichijo
1
,
Masataka Oku
1
1奈良県立医科大学産婦人科学教室
pp.749-754
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207844
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妊娠中毒症は,浮腫(E),蛋白尿(P),高血圧(H)の一つもしくは二つ以上の症状を呈し,かつ,これらの症状が妊娠偶発合併症によらないものを純粋型妊娠中毒症と言い,偶発合併症のE,P,Hに妊娠中毒症のE,P,Hが上乗せしているものを混合型妊娠中毒症と言うが,この区別は概念上明白でも臨床鑑別上は必ずしも容易でない。純粋型なら単なる妊娠中毒症の治療でよいが,混合型の場合は,その偶発合併症の治療も加えなければならない。すなわち合併症が二次性高血圧を伴う糖尿病とか,本態性高血圧などのごとくであれば各々の疾患に対する治療も欠かせないのである。本項では,テーマを単純化するために純粋型妊娠中毒症の治療について言及したい。
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