特集 Challenging complicationsと分娩のタイミング
慢性腎炎
中林 正雄
1
,
尾崎 郁枝
2
,
安達 知子
2
,
武田 佳彦
2
,
岩下 光利
1
,
坂元 正一
2
Masao Nakabayashi
1
,
Ikue Ozaki
2
1東京女子医科大学母子総合医療センター
2東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.837-844
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208064
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慢性腎炎合併妊娠は正常妊婦に比べて流早産や胎内死亡,妊娠中毒症などの発生頻度が高いことが知られている。また妊娠により腎疾患の増悪を来すことがあり,その予後の予測は妊娠前の腎機能低下の程度や腎疾患の種類によって異なるといわれているが的確な予後の予測はいまだ困難な現状である。本稿では慢性腎不全患者の病態とその妊娠経過が腎機能に及ぼす影響を中心に述べ,それらをふまえた妊娠許可条件について概説する。さらにチャレンジングケースとして,慢性腎不全,腎透析例の妊娠分娩管理につき,当センターにおいて経験した症例を中心に述べ考察を加えた。
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