先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
婦人科癌の化学療法
疾患別プログラミングとプラクティス
卵巣腫瘍
金沢 浩二
1
,
湯沢 秀夫
1
,
本間 滋
1
,
鈴木 孝明
1
,
吉谷 徳夫
1
,
安達 茂実
1
,
高桑 好一
1
,
竹内 正七
1
Koji Kanazawa
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.819-821
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207483
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現在,婦人科癌の中で最も予後の悪いものは卵巣癌であるといえる。cisplatinの臨床応用にともなって,従来では寛解の期待できなかった進行期癌,再発癌においても一時的にでも寛解状態が得られ,長期延命が期待できるようになった。さらに,抗癌化学療法の有効な症例においては,適正な時期に手術療法を組み合わせることによりほぼ治癒に近い状態を得ることも可能となってきている。
当教室においては,関連施設の参加を得て新潟婦人科癌研究会を設置し,卵巣癌治療指針を作成し,同一プロトコールによるmass studyを開始した。それはSecondlook operation,SLOを含む手術療法に化学療法を組み合わせた卵巣癌集学的治療であり,現在までに非常に良好な臨床成績を得ている。本稿では,卵巣癌に対する抗癌化学療法について,この研究会の臨床経験を中心にして解説する。
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