疾患の病態と治療 進行癌への挑戦--延命効果の可能性
絨毛性腫瘍進行例の管理
竹内 正七
1
,
金沢 浩二
1
Shoshichi Takeuchi
1
,
Koji Kanazawa
1
1新潟大学医学部産婦人科学教室
pp.47-51
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205549
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絨毛性腫瘍,とくに絨毛上皮腫(絨腫)は臨床的にきわめて悪性であり,その治癒率ないし寛解率はなお50%前後に過ぎない。近時本腫瘍への関心がたかまるにつれて奇胎の登録管理が一般化されつつあり,奇胎に続発する絨腫は比較的早い段階で発見されるようになった。しかし,満期産や流早産など奇胎以外の妊娠に続発する絨腫は往々にして診断が遅れがちであり,また,肺,腸管,脳などへの転移巣のみが注目され,他科疾患として取り扱われて,的確な治療の機を逸して進行症例として送られてくることはまだ避けられない。教室でも奇胎娩出後の管理が不十分であった患者に続発した絨腫や奇胎以外の妊娠に続発した絨腫で数例の進行例を経験してきた。本稿では2〜3の症例を中心にして,絨腫進行例の治療管理について私見を述べる。
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