先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
腫瘍マーカー
CEA
金沢 浩二
1
,
安達 茂実
1
,
本間 滋
1
,
竹内 正七
1
Koji Kanazawa
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.501-503
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207415
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.CEAの基礎
癌胎児性抗原carcinoembryonic antigen:CEAは,1965年Gold と Freedman1,2)によって,結腸癌と2〜6ヵ月齢胎児細腸粘膜とに共通して存在する物質として発見され,その後,CEA測定法の進歩にともなって,結腸癌を含む消化器癌以外の諸種癌にも,また,非腫瘍性疾患にも検出されることが明らかにされてきた。
CEAは分子量約200,0000)糖蛋白質であり,電気泳動上β—globulin領域に泳動される3)。糖鎖部分は令分子量の50〜70%を占め,約20%のN-acethyl glucosamine, 10〜20%のgalactose, 5〜10%のmannose, 他にfucose,N-acethyl galactosamine, sialic acidなどから構成される4)。 糖鎖部分はCEAの重要な抗原決定基ecpitopeとなる部分であり,それぞれの抽出CEAによってその糖鎖構成成分の割合いが若干異なっており、これがCEAのいわゆるheterogeneityの原因となっている。蛋白質部分は約600個のアミノ酸からなるpeptide鎖であり,aspartic acid, glutamic acid, serine, threonine, methio—nine, cystineなどから構成されている5)。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.