先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
免疫療法の評価
原因不明習慣性流産患者に対する免疫療法
高桑 好一
1
,
丸橋 敏宏
1
,
後藤 重則
1
,
茅原 保
1
,
内山 三枝子
1
,
梶野 徹
1
,
吉沢 浩志
1
,
湯沢 秀夫
1
,
金沢 浩二
1
,
竹内 正七
1
Koichi Takakuwa
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.349-351
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207379
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習慣性流産とは定義上は,流産を3回以上連続して反復することをいうが,その内容はいろいろである。妊娠初期(妊娠12週以前)における流産と妊娠中期(妊娠12週以降24週恥満)の流産とではその原因は大きく異なり,後者の原因の主たるものは頸管無力症であり,これに対しては予防的頸管縫宿術などの有効な治療法がある。これに対し前者すなわち妊娠初期の習慣性流産に関してはその原因は不明であることが多く.従来有効な治療法はないに等しかった。
このような状況の中で,近年,妊孕現象に関する免疫学的知見に基づき,原因不明習慣性流産に対する免疫療法が試みられるようになり,その有効性が報告されている。当教室においては,10数年にわたり,妊孕現象に関わる免疫反応の解析を中心として研究を進めてきたが,その一環として上記の免疫療法に取り組み,興味ある知見を得ている。本稿においては,その概要および免疫療法の実際について述べたいと思う。
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