症例
Adenoma malignumを合併したPeutz-Jeghers症候群の1症例
藤巻 尚
1
,
高桑 好一
1
,
大野 正文
1
,
上田 宏之
1
,
本間 滋
1
,
児玉 省二
1
,
金沢 浩二
1
,
竹内 正七
1
,
小幡 憲郎
2
,
後藤 明
3
Takashi Fujimaki
1
,
Norio Obata
2
,
Akira Goto
3
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
2がんセンター新潟病院産婦人科
3新潟県立中央病院産婦人科
pp.699-702
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208042
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消化管のボリポージス,口唇・頬粘膜などの色素沈着,常染色体優性遺伝を3主徴とするPeutz-Jeghers症候群の症例を婦人科領域で経験することはそれほど多くないと考えられる。今回,我々は典型的なPeutz-Jeghers症候群の患者で子宮頸部のAdenoma malignumを合併した症例を経験した。症例は45歳の主婦であり,大量の不正性器出血を主訴とし,当科へ入院となった。術後の摘出標本の病理組織学的検索でAdenoma malignumの確定診断がなされた。文献的にはPeutz-Jeghers症候群に合併する婦人科領域の悪性病変として卵巣のSex cord tumor with annular tubules (SCTAT),子宮頸部腺癌などが報告されており,またAdenoma malignumの合併も注目されている。本論文においては症例の概要を報告するとともにこれらの文献的考察を試みた。
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