今月の臨床 産婦人科臨床の難題を解く─私はこうしている
III 婦人科癌治療
【子宮頸癌】
3.子宮頸癌における放射線化学療法の有用性は?
高仲 強
1
,
京 哲
2
1金沢大学医学部附属病院放射線治療科
2金沢大学医学部産婦人科
pp.560-565
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101744
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1 はじめに
子宮頸癌に対する放射線化学療法は,1999年に米国National Cancer Institute(NCI)が5つの無作為比較試験の成績をふまえ,子宮頸癌に対するシスプラチン(CDDP)を用いた同時化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy : CCRT)の有用性を緊急アナウンス1)したことから,CCRTが子宮頸癌に対する標準治療としてにわかにクローズアップされ,現在では高いエビデンスを有する治療としてCDDPをbaseとしたCCRT(CDDP based CCRT)が米国のNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)のガイドラインやPDQ(R)(Physician Data Query(R))で子宮頸癌に対する標準治療として推奨されている.
本邦においても子宮頸癌に対する放射線化学療法としてCCRTの適用が広まっている.しかし,本邦では標準治療としてのCCRTはいまだ存在せず,各施設独自の治療法で行われているのが現状と考えられる.今回われわれは,金沢大学産婦人科と放射線治療科における子宮頸癌に対する放射線化学療法としてのCCRTを紹介し,子宮頸癌における放射線化学療法の有用性を考察する.
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