原著
子宮頸癌放射線治療と二次発癌
中塚 幹也
1,2
,
児玉 順一
1
,
野田 清史
1
,
河相 淳一郎
1
,
重田 優
1
,
椎野 萬里子
1
,
土光 文夫
1
Mikiya Nakatsuka
1,2
1広島市民病院産婦人科
2現,岡山大学産婦人科学教室
pp.181-185
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900031
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悪性腫瘍放射線治療後の二次発癌の検討は依然不十分である。私達は,子宮頸癌の放射線治療後に二次発癌をきたした2症例を経験した。
症例1は1954年,子宮頸癌手術後に放射線治療を施行した。以後,殿部,下腹部に放射線性皮膚炎が出現していたが,1986年に外陰部基底細胞癌が,1988年には腟壁悪性線維性組織球腫が発生し死亡した。症例2は1945年に原爆被爆,1982年,子宮頸癌Ⅲ b期の診断で放射線療法を施行した。1988年,子宮体部中胚葉性混合腫瘍が発生し死亡した。
酒井らの2回にわたる二次発癌に関する全国アンケート調査では,原発癌は子宮癌が最多,二次癌は軟部組織肉腫が最多である。
子宮頸癌は放射線療法が頻繁に行わ�治癒率,生存率も高く,長期の定期検診がなされているため疫学的調査が施行しやすい.また化学療法誘発の二次癌の調査,研究,さらに予防も今後の重大な諜題になるであろう.
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