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編集後記
神崎 秀陽
pp.1538
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101634
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産婦人科にかぎらず,外科系一般に医師不足が大きな社会問題となってきました.正確には,勤務医不足ですが,その原因が給与を含めた勤務医の待遇の悪さにあるということは一般にも理解されてきたようです.それではその医師を雇用している病院経営はどうかというと,公的病院の7割以上は赤字で,私立も決して楽な経営状況にはありません.もし地域医療を支えている病院であっても独立採算企業とするなら,医療は医師,医療技術職,事務職の3者のチームワークで成り立っているわけですから,病院で働く医師1人当たりの医療収入は当該医師以外にも,少なくとも7~8名以上のコメディカルの給与をもカバーし,なおかつ病院の経常利益で施設や機器の減価償却も負担しなければ成り立ちません.
では,看護師,薬剤師,検査技師,栄養士,事務職員はじめ病院で働く多種の職能人の給与が高すぎる,あるいは人員が多すぎるのでしょうか.確かに技師や事務職員の中には労働実績と給与が乖離しているものもいるようですが,総体的にはほぼ妥当な範囲にあると思われ,それが赤字の元凶とはいえないようです.
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