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編集後記
神崎 秀陽
pp.232
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102285
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昨年末,これまで減少の一途にあった産婦人科医の総数が10年ぶりにわずかながら増加傾向にあると報じられました.厚生労働省の統計では,現在診療に従事している産婦人科医の総数は10,389名と2年前より3.1%増加しており,2000年の調査以来続いていた減少に歯止めがかかったとされています.ちなみに全診療科に占める産婦人科医の割合は3.8%ですが,過去2年でみると,研修終了後の医師総数の4.5%が産婦人科に進んだという統計結果も出されました.新研修制度で必須とされ全員が産婦人科の臨床現場を経験したことが志望者増加の一因であると説明されていますが,それではなぜ来年度から産婦人科は選択科とされたのでしょうか.
日産婦学会の統計でも,新研修制度が導入された後,2004年101名,2005年143名と著減していた新入会医師数は,2006年329名,2007年335名,2008年402名,そして2009年は405名と確かに回復傾向にはあります.しかし現場では充足に程遠い厳しい状況が続いており,4年間の総数1,471名中の889名(60%)が女性で582名が男性という現実が今後の周産期医療体制の維持に与える影響を憂慮する声もあります.女性は妊娠・出産・育児により必然的にいったんは休職せざるを得ませんので,その実動期間と制約を考えると,最低でも必要な医師数は毎年500名以上と推測されます.
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