症例
興味ある分娩経過をたどった妊娠40週で胎児の高輝度エコー腸管所見を示した1例
佐藤 賢一郎
1
,
水内 英充
2
,
根岸 秀明
3
,
木村 美帆
3
,
森下 美幸
3
,
田原 康夫
4
,
越後谷 雅代
4
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2旭川みずうち産科婦人科
3札幌医科大学産婦人科
4新日鐵室蘭総合病院小児科
pp.1525-1529
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101633
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
今回われわれは,妊娠40週で胎児の高輝度エコー腸管所見を認めた1例を経験した.症例は25歳,主婦,0経妊・0経産で既往歴,家族歴に特記事項なし.2006年4月中旬に分娩希望にて受診し妊娠6週5日であった.その後,特に問題なく経過していたが,妊娠40週0日の妊婦健診時に胎児の高輝度エコー腸管所見が出現していた.翌日に陣痛発来し受診したところ高輝度エコー腸管所見は消失したが,高輝度羊水所見が出現し,母体発熱・炎症所見,180 bpmの胎児頻脈を認め,non─reassuring fetal statusおよび子宮内感染,羊水混濁の診断にて緊急帝王切開を施行した.高度の羊水混濁を認め,児は3,385 g,男児で,アプガースコアは1,3,5分後がそれぞれ6,8,9点であった.臍帯動脈血pHは7.195で児の感染は認めなかった.術後経過は良好で,母児ともに術後6日目に退院した.分娩周辺期に出現する高輝度エコー腸管所見は注意を要する.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.