Japanese
English
臨床経験
Ehlers-Danlos症候群に合併した多発性脊髄硬膜外くも膜嚢腫の1例
A Case Report of Multiple Extradural Arachnoid Cysts Associated with Ehlers-Danlos Syndrome
橋本 光宏
1,2
,
村上 正純
1
,
山崎 正志
1
,
大河 昭彦
1
,
加藤 大介
1
,
今野 慎
1
,
西垣 浩光
1
,
安宅 洋美
1
,
池田 義和
1
,
中島 文毅
1
,
後藤 澄雄
1
,
守屋 秀繁
1
,
森川 嗣夫
3
,
木元 正史
3
Mitsuhiro Hashimoto
1,2
1千葉大学医学部整形外科
2現:国立千葉病院整形外科
3社会保険船橋中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Chiba Univesity School of Medicine
キーワード:
extradural arachnoid cyst
,
硬膜外くも膜囊腫
,
multiple
,
多発性
,
Ehlers-Danlos syndrome
,
Ehlers-Danlos症候群
Keyword:
extradural arachnoid cyst
,
硬膜外くも膜囊腫
,
multiple
,
多発性
,
Ehlers-Danlos syndrome
,
Ehlers-Danlos症候群
pp.91-94
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908316
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抄録:Ehlers-Danlos症候群に合併した多発性脊髄硬膜外くも膜囊腫の1例を経験したので報告する,症例は53歳男性.主訴は両下肢不全麻痺である.入院時,徒手筋力検査にて3~4程度の両下肢筋力低下を呈し,第6胸髄レベル以下の痛覚鈍麻を認めた.また,皮膚・関節弛緩性を認め,Ehlers-Danlos症候群と診断された.MRIにて第6胸椎レベルより第4仙椎レベルまで,脊柱管内から脊柱管外へ膨隆する巨大な多発性囊胞性病変を認め,脊髄が強く圧迫されていた.脊髄造影により囊腫の正常くも膜下腔との交通性が確認された.手術所見では硬膜の一部に欠損があり,くも膜囊腫であった.オルセイン染色による硬膜病理組織像にて弾性線維数の減少と走行異常を認めた.Ehlers-Danlos症候群に伴った脊髄くも膜嚢腫は,過去には報告されていないが,本例のくも膜嚢腫の発生の基盤には何らかの先天性の硬膜脆弱性があることが推察された.
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