Japanese
English
論述
腰椎椎間板疾患における痛みの分布
Pain Distribution in Lumbar Disc Lesions
高橋 弦
1
,
中村 伸一郎
2
,
須関 馨
3
,
高橋 和久
3
,
山縣 正庸
3
Yuzuru Takahashi
1
1千葉市療育センター整形外科
2国立佐倉病院整形外科
3千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Chiba City Ryoiku Center
キーワード:
pain
,
痛み
,
disc lesion
,
椎間板障害
,
disc herniation
,
椎間板ヘルニア
Keyword:
pain
,
痛み
,
disc lesion
,
椎間板障害
,
disc herniation
,
椎間板ヘルニア
pp.69-75
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908310
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抄録:腰椎椎間板の神経支配に関する基礎的研究結果に基づき,われわれは「椎間板疾患における腰痛は椎間板源性の痛みとL2領域への関連痛が統合したものであり,下肢痛はすべて神経根源性である」と推定している.今回,この「仮説」を臨床的に検証する目的で,椎間板障害19例と椎間板ヘルニア32例について痛みの分布を比較検討した.痛みの出現率は椎間板障害では腰椎部,椎間板ヘルニアでは殿部と下腿後部で有意に高かった.腰痛のみ症例の比率は椎間板障害では58%,椎間板ヘルニアでは9%であり,下肢痛のみ症例の比率は椎間板障害では26%,ヘルニアでは63%であった.これらの結果は「仮説」の妥当性を思わせる.しかし,椎間板障害の42%に認められた下肢痛は関連痛が含まれているとも考えうるが明確な区別はつかず,本研究の結果からは「仮説」の実証には至らなかった.
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