Japanese
English
特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)
腰椎椎間関節の神経支配について
Innervation of the Lumbar Facet Joints in Rats
須関 馨
1
,
高橋 弦
1
,
高橋 和久
1
,
千葉 胤道
2
,
田中 宏一
2
,
中村 伸一郎
1
,
森永 達夫
1
,
山縣 正庸
1
,
守屋 秀繁
1
Kaoru Suseki
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
2千葉大学医学部解剖学第三教室
1The Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
lumbar facet joint
,
腰椎椎間関節
,
innervation
,
神経支配
,
low back pain
,
腰痛
Keyword:
lumbar facet joint
,
腰椎椎間関節
,
innervation
,
神経支配
,
low back pain
,
腰痛
pp.503-508
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901887
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抄録:腰椎椎間関節の知覚は分節性支配とされているが,腰痛患者で鼠径部や大腿前部の疼痛を訴える症例の中には下位腰椎椎間関節ブロックにてそれらの疼痛が消失する場合がある.われわれは神経トレーサーであるcholera toxin B subunit(CTB)をラットのL5/6椎間関節に標識し,両側の後根神経節および傍脊椎交感神経節でのCTB陽性細胞の有無を観察した.その結果,CTB陽性細胞は従来から報告されている標識側のL3からL5の後根神経節だけでなく,L1からL5の後根神経節,およびT12からL6の傍脊椎交感神経節に認められた.本研究の結果より,下位腰椎椎間関節の病変にて生じる鼠径部や大腿前部の疼痛はL1・L2分節領域への関連痛として説明され,L2神経根ブロックが椎間関節痛にも有効である可能性が示唆された.また,傍脊椎交感神経節から投射する交感神経節後線維が腰椎椎間関節の知覚に関与している可能性が示唆された.
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