Japanese
English
論述
腰椎椎間板ヘルニアにおけるVertical Migrationについて
Vertical Migration of the Lumbar Disc Herniation
笠原 孝一
1
,
井口 哲弘
1
,
栗原 章
1
,
山﨑 京子
1
,
佐藤 啓三
1
,
松本 英裕
1
,
石本 勝彦
1
Koichi Kasahara
1
1神戸労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe Rosai Hospital
キーワード:
vertical migration
,
頭尾側方向脱出
,
lumbar spine
,
腰椎
,
disc herniation
,
椎間板ヘルニア
Keyword:
vertical migration
,
頭尾側方向脱出
,
lumbar spine
,
腰椎
,
disc herniation
,
椎間板ヘルニア
pp.33-39
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902612
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抄録:手術治療を行った腰椎椎間板ヘルニア60例について,vertical migration(頭尾側方向へのヘルニア塊の脱出遊離移動)をきたしたものをMRIで椎体高の1/2を越えて脱出するもの(20例),1/4を越えるが1/2を越えないもの(20例)とに分類し,椎間板レベルにとどまるヘルニア(20例)と,その臨床像や脱出形態などを比較検討した.ヘルニアの脱出方向は尾側が67.5%と多かった.脱出方向を決定する因子としては,腰椎の前弯よりも椎間板上下の脊柱管と硬膜外腔の広さが重要と思われた.臨床症状と手術成績を日整会腰痛疾患治療成績判定基準でみると,椎体高の1/2を越えて脱出したヘルニアは椎間板レベルにとどまるヘルニアと比較して,術後の知覚および筋力の点数が有意に低く,また術後点数およびその改善率も有意に劣っていた.以上より,椎体高の1/2を越えて脱出したヘルニアは神経症状が残存しやすいことを念頭において治療方針を決定すべきである.
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