Japanese
English
論述
胸腰椎移行部における脊髄・馬尾障害の検討―靱帯骨化症および椎間板障害例を対象として
Functional Disturbances in the Spinal Cord and Cauda Equina at Thoraco-lumbar Spinal Junction
重信 恵一
1
,
金田 清志
1
,
鐙 邦芳
1
,
橋本 友幸
1
,
藤谷 正紀
2
Keiichi Shigenobu
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道整形外科記念病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
脊髄円錐末端
,
termination of the conus medullaris
,
胸腰椎移行部
,
thoraco-lumbar spine
,
神経放射線学的所見
,
neuro-radiological finding
,
黄色靱帯骨化症
,
ossification of the ligamentum flavum
,
椎間板障害
,
disc lesion
Keyword:
脊髄円錐末端
,
termination of the conus medullaris
,
胸腰椎移行部
,
thoraco-lumbar spine
,
神経放射線学的所見
,
neuro-radiological finding
,
黄色靱帯骨化症
,
ossification of the ligamentum flavum
,
椎間板障害
,
disc lesion
pp.565-571
発行日 1991年5月25日
Published Date 1991/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900343
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抄録:胸腰椎移行部(T10~L2)における圧迫性神経障害と神経放射線学的所見との関連につき,手術治療を行った40例(靱帯骨化症22例,椎間板障害18例)を対象にその障害様式と発現機序について検討した.主要障害高位は1椎間障害25例では,T10/11:10例,T11/12:8例,T12/L1:6例,L1/2:1例で多椎間障害は15例であった.T10/11レベルの障害では錐体路症状を示した例が多かった.T11/12レベル以下の障害では下肢腱反射の低下や筋力低下などの髄節性障害や馬尾障害により多彩な症状を呈するものもあった.また,脊髄円錐末端の脊椎レベルはT11/12,T12が1例ずつ,T12/L1:8例,L1:7例,L1/2:8例,L2:2例であった.同一の脊椎レベルであっても,種々の神経障害が生じる原因としては,①個体間で脊髄円錐高位が異なる,②解剖学的に脊髄,脊髄円錐,馬尾が近接して存在する,③変性疾患では多椎間での障害が多い,などが考えられた.
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