Japanese
English
特集 脊椎外傷—早期の病態・診断・治療—(第7回脊椎外科研究会より)
頸椎脱臼,骨折に対する前方手術の経験
Anterior operation for fracture dislocations of the cervical spine
今井 健
1
,
十川 秀夫
1
,
石川 正志
1
,
横山 良樹
1
,
藤原 紘郎
1
,
安田 金蔵
1
,
村川 浩正
1
,
那須 正義
2
,
中原 進之介
2
Takeshi IMAI
1
1岡山労災病院整形外科
2岡山大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Okayama Rosai Hospital
pp.347-353
発行日 1979年4月25日
Published Date 1979/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905887
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はじめに
頸椎の脱臼や骨折の多くは脊髄麻痺を伴うが,その程度は完全麻痺からごく軽度の不全麻痺のものまでさまざまである.従来頸椎脱臼,骨折に対しては頭蓋牽引による長期の安静固定が主として行なわれており,手術的には椎弓切除術や後方固定術が行なわれていたが,受傷早期の椎弓切除術は損傷された脊髄に対してさらに損傷を加える危険性があるし,脱臼や骨折によつて不安定になつている脊柱をさらに不安定にする可能性があるとして最近では疑問視されるようになつた.これに対して本邦では中野や石川らにより,頸髄損傷に対して早期の前方除圧,固定術の優秀性が報告され多く行なわれるようになってきた.頸椎前方経路による手術の利点は,麻痺の原因となつている脱臼,脊椎管内へ陥入した骨片や椎間板などの病変を直視下に安全に手術ができ,除圧としつかりした固定を同時に行なえることである.
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