特集 胸椎部ミエロパチー
胸椎後縦靱帯骨化の臨床的検討
今井 健
1
,
角南 義文
1
,
中原 進之介
1
,
西原 伸治
1
,
児玉 寛
1
,
岡本 吉正
1
,
村川 浩正
2
,
藤原 紘郎
2
,
小野 勝之
2
,
門前 俊徳
2
Takcshi IMAI
1
1岡山大学医学部整形外科学教室
2岡山労災病院整形外科
pp.340-344
発行日 1977年4月25日
Published Date 1977/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905510
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はじめに
頸椎後縦靱帯骨化は1960年の月本の報告に始まり,本邦では多くの報告がなされている.しかし,その成因に関しては,局所的な慢性外傷説,退行変性説,フッ素中毒説,糖尿病説,ankylosing spinal hypcrostosis(以下A. S. H.と略)の部分症であるとする説などがあるが,いずれもいまだ定説とはなつていない.われわれは数年前より胸椎椎体後縁に沿つて棒状の縦走陰影をみとめ,胸椎部での脊髄圧迫症状を呈する症例を散見するようになつた.胸椎の後縦靱帯骨化は,頸椎後縦靱帯骨化例で胸椎X線検査を行い発見されるという報告はあるが,胸椎のみに後縦靱帯骨化をみとめたという報告は少ない.文献上Keyの2剖検例が最初であるが,近年になつて本邦でも症例報告がみられるようになり,土屋の頸椎後縦靱帯骨化の剖検例でも胸椎から腰椎にかけての広範囲の後縦靱帯骨化像をみとめている.われわれは第43回中部日本整形外科災害外科学会で胸椎後縦靱帯骨化のX線像と臨床症状と題して報告したが,その後も少しずつ症例を重ねてきたので,今回は24例について,そのX線像,臨床症状,治療成績等について検討し報告する.
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