Japanese
English
手術手技シリーズ 脊椎の手術・22
頸椎の脱臼・骨折に対する手術手技
Operative Treatment for Fracture and Dislocation of the Cervical Spine
井形 高明
1
,
正木 国弘
1
,
村瀬 正昭
1
Takaaki Ikata
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Tokushima University
キーワード:
観血的整復術
,
open reduction
,
脊椎前方固定術
,
anterior body fusion
,
脊椎後方固定術
,
posterior spinal fusion
,
脊髄除圧術
,
decompression
,
Trippi-Wells装置
,
Trippi-Wells apparatus
Keyword:
観血的整復術
,
open reduction
,
脊椎前方固定術
,
anterior body fusion
,
脊椎後方固定術
,
posterior spinal fusion
,
脊髄除圧術
,
decompression
,
Trippi-Wells装置
,
Trippi-Wells apparatus
pp.885-895
発行日 1984年8月25日
Published Date 1984/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907015
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頸椎の脱臼骨折に対する治療の骨子が骨傷の整復固定による脊椎の再建と脊髄保護作用の確保にあり,脊髄障害の合併例には脊髄障害の加重防止と機能的障害の改善,合併症予防ならびにリハビリテーションの早期開始を両立しなければならない.これに対し,幾多の挑戦がなされ,関係領域の発展もあって,長足の進歩がみられているが,治療法の選択,とくに勧血的療法の適応についての議論は依然として絶えない.
われわれは,本症に対する観血的療法は無選択的に行うべきではないと考えている.保存的療法を行うことにより,改善が得られないものに対してのみ手術を選択,適応している.すなわち,早期手術としては嵌合を伴った脱臼骨折や骨片転位のあるbursting fractureに対する整復固定術,残遺の脊髄圧迫障害を認める不全麻痺に対する除圧術,また,晩期手術としては不安定椎に対する固定術,脊椎変形やspondylosisの発展に伴った脊髄障害に対する脊髄除圧術など限られた範囲である.いずれもわれわれの本症に対するroutine treatment及び管理方式を併用し合併症の予防,局所の固定,ならびに術後管理に万全を期している.
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