論述
頸髄腫瘍の手術経験
鈴木 良平
1,2
,
渡辺 真
3
,
井上 和郎
3
Ryohei SUZUKI
1,2
,
Makoto WATANABE
3
1長崎大学医学部整形外科学教室
2前:福島医科大学整形外科学教室
3福島医科大学整形外科学教室
pp.896-905
発行日 1971年11月25日
Published Date 1971/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904611
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はじめに
脊髄腫瘍は発生頻度の比較的少ない疾患であり,そのうちで頸髄腫瘍は20〜25%を占めるといわれている.過去10年間に著者らは福島医大整形外科において32例の脊髄腫瘍を経験したが,そのうち頸髄腫瘍は半数に近い14例であつた.脊髄腫瘍そのものは悪性のものはわずかであるが,頸髄部の腫瘍はたとえ良性であつても他の部の腫瘍と異なり,生命に影響を及ぼすことが比較的多いので,早期診断と正しい治療がとくに要求される.著者らの14例のうち5例は不幸にして死の転帰をとつた.はなはだ芳しからざる成績であるが,自験例を述べると共に2,3の問題点をさぐつて反省の資料としたい.
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