論述
骨軟化症の治療経過
石川 斉
1
,
広畑 和志
1
Hitoshi ISHIKAWA
1
,
Kazushi HIROHATA
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
pp.906-920
発行日 1971年11月25日
Published Date 1971/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904612
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はじめに
骨軟化症はいわゆる"osteoid"の石灰化障害を主体とする代謝性骨疾患であるが,他の代謝性骨疾患と同様にその定型的症状を呈するまでに不定の愁訴を訴えることが多い.すなわち,筋肉の易疲労感,いわゆる骨痛,硬直感などの症状を訴え,慢性関節リウマチ,変形性関節症,神経症などと診断されることも稀ではない.近頃では腹部外科手術,とりわけ胃切除後に続発する骨軟化症症例も外国文献では次第に数を増してきている.その他種々の原因による骨軟化症例えばFanconi症候群や低燐血症などに見られる腎性のもの,肝障害や,steatorrhcaにみられるもの,最も多くみられる栄養性ビタミンD欠乏性骨軟化症などもその診断に当つては細心の注意を向けなければならない.
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