シンポジウム 脊髄損傷
脊髄損傷患者における尿路管理
池上 奎一
1
1熊本大学医学部泌尿器科教室
pp.29-34
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904177
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脊損患者には種々の尿路疾患が合併するが,これらに対する処置が適切を欠くときは,単に患者の社会復帰を遅延せしめるに止まらず続発する腎機能障害の結果全身状態の悪化を招き,遂には死因となることも少くない.脊損想者の予後に関する統計では死因の第1位に尿路合併症を挙げるものも多く,適切な尿路管理は脊損患者の治療上もつとも重要な問題の1つと言うことが出来る.私は最近英国Stoke Mandeville HospitalのNational Spinal Injuries Centre(以下S. M. Hosp.と略)における脊損患者の尿路管理について泌尿器科的観点から詳さに見学する機会を得たので,その経験を中心として脊損患者における尿路管理上の2,3の問題点について述べる.
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