シンポジウム 整形外科と運動療法
緒言
梅ケ枝 健一
1
1梅ケ枝整形外科
pp.684-686
発行日 1999年6月25日
Published Date 1999/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902723
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
身体を動かし移動することができる,われわれ人類にとって,もし不幸にして何かしらの事情により,その能力を著しく損ない,または自分で身体を動かすことが全く不可能になったとしたら,その将来は暗いものとなるであろう.
われわれ医師の祖ヒポクラテスは,運動,スポーツ(運動とスポーツは多少相違がある.日常行っている動作,例えば通勤,通学,買い物等で身体を動かすことが運動であり,日常生活動作から離れ,別の場所で楽しく,健康のために行う運動動作をスポーツと私は考えている.本稿においては運動,スポーツを同義語として理解してほしい)は健康増進,維持に優れた効果があると言っている.インドのヨガ,中国の気功なども健康を目的とした運動療法である.では運動することによって人間は何を得ることができるのか.スポーツ医学の観点から次の3つの事柄が考えられる.1)健康増進・維持,2)疾病の治療手技として,3)予防医学の面からの医学的効果が考えられる.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.