誌上シンポジウム 整形外科外傷治療の進歩
緒言
金谷 文則
1
1琉球大学大学院医学研究科医科学専攻整形外科学講座
pp.308
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408103009
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整形外科外傷センターの充実や緊急医療の標準化などにより,多発外傷の救命率や救肢率の改善に加えて,外傷四肢の機能も改善している.近年の整形外科外傷の進歩についてエキスパートに執筆をお願いした.
多発外傷では,骨折に対して早期に最終的な固定(early total care)を行うことにより,合併症を少なくするばかりでなく患者管理を容易にし,早期に機能回復が得られる.一方,全身状態不良例では手術がsecond hitとなり予後を悪くする場合があり,damage control orthopaedics(DCO)により,最小限の処置で骨折の安定化を図る必要がある.特に下肢骨折では創外固定が大きな役割を果たす.成人の下肢外傷例では,DCOとして行われた創外固定が最終的な治療になることは少なく,髄内釘やプレート固定に変換されることが多い.
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