Japanese
English
特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より)
一般演題
圧迫性腰仙部神経根障害における造影MRI―根内血管透過性の変化
Enhanced MRI in Compressed Lumbosacral Nerve Root: Alteration of Vascular Permeability in Nerve Root
森田 知史
1
,
吉沢 英造
1
,
中井 定明
1
,
小林 茂
1
,
蜂谷 裕道
1
,
中川 雅人
1
,
西本 聡
1
Tomofumi Morita
1
1藤田保健衛生大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
造影MRI
,
enhanced MRI
,
腰仙部神経根
,
lumbosacral nerve root
,
機械的圧迫
,
mechanical compression
,
血液-神経関門
,
blood nerve barrier
,
浮腫
,
edema
Keyword:
造影MRI
,
enhanced MRI
,
腰仙部神経根
,
lumbosacral nerve root
,
機械的圧迫
,
mechanical compression
,
血液-神経関門
,
blood nerve barrier
,
浮腫
,
edema
pp.519-526
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901103
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抄録:近年,造影MRIを用いて神経根内の病態を把握する試みが成されている.今回,我々は,造影MRIが神経根の病態をいかに反映するかを検討した.基礎的実験として雑種成犬の左側第7腰神経根に60gram forceの圧迫力が作用する血管縫合用クリップを使用して1時間の圧迫を行った.そして,圧迫解除30分後にトレーサーとしてgadolinium次いでEvans blue albumin(EBA)を静注し,その10分後に屠殺した.そして腰仙部を一塊として取り出して造影MRIを撮像するとともに神経根薄切切片を作成して蛍光顕微鏡下で観察し,EBAの血管透過性の変化を検討した.造影MRIで神経根圧迫部位は全例で高輝度を呈し,同部で血液神経関門の破綻に基づくEBAの血管外漏出,即ち根内浮腫像が蛍光顕微鏡下で観察された.臨床的検討では腰椎椎間板ヘルニア27例に対し造影MRIを撮像して当該神経根を観察した.27例中8例に圧迫された神経根の高輝度変化を認めた.以上のことより,臨床例の高輝度変化を呈した症例の約1/3は圧迫された神経根内に浮腫を生じているものと考えられた.
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