Japanese
English
特集 主題・腰部脊柱管狭窄症/パネルI・脊椎転移性腫瘍の手術的治療/パネルII・脊椎脊髄MRI診断(第20回日本脊椎外科学会より)
主題 腰部脊柱管狭窄症
腰仙部神経根の血液-神経関門について
Blood-nerve Barrier in Lumbo-sacral Spinal Nerve Root
小林 茂
1
,
吉沢 英造
1
,
蜂谷 裕道
1
,
鵜飼 高弘
1
,
中川 雅人
1
,
森田 知史
1
,
中井 定明
1
Shigeru Kobayashi
1
1藤田保健衛生大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
神経根
,
nerve root
,
血液-神経関門
,
blood-nerve barrier
,
機械的圧迫
,
mechanical compression
,
脳脊髄液
,
cerebrospina fluid
,
血流
,
blood flow
Keyword:
神経根
,
nerve root
,
血液-神経関門
,
blood-nerve barrier
,
機械的圧迫
,
mechanical compression
,
脳脊髄液
,
cerebrospina fluid
,
血流
,
blood flow
pp.357-366
発行日 1992年4月25日
Published Date 1992/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900820
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抄録:腰痛や坐骨神経痛などの腰仙部神経根症状を呈する疾患の病態は,機械的圧迫に伴う血流障害や脳脊髄液の停滞が長期存在し,根内環境の恒常性が破壊されることによって生ずると考えられる.特に圧迫に伴う血管透過性の亢進は,根内浮腫,強いては線維化の形成に深く関与し,この過程を解明することが今後の腰痛疾患の治療を行っていくうえで有用であると考えられる.今回はイヌの神経根における血液-神経関門の機能をトレーサーを用いて形態学的に検討した.その結果,神経根に見られる血液-神経関門を有する連続型毛細血管には,脳脊髄液をドレナージする選択的透過機構が存在した.しかし,急性圧迫障害時には,血管内皮細胞間での密着帯の開大による透過性亢進や飲小胞による細胞内輸送の増加により関門は破綻し,根内浮腫が生じることを証明した.
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