Japanese
English
論述
腰部椎間板ヘルニアにおける造影MRIの有用性―ヘルニア周囲瘢痕組織の造影機序とその意義
Availability of Gd-DTPA Enhanced MRI for Lumbar Disc Herniation: Mechanism Enhancing Scar Tissue around Herniated Disc and It's Meaning
森田 千里
1
,
吉沢 英造
1
,
中井 定明
1
,
小林 茂
1
,
森田 知史
1
,
小島 基宏
1
Chisato Morita
1
1藤田保健衛生大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
造影MRI
,
enhanced MRI
,
腰部椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
硬膜外瘢痕組織
,
epidural scar tissue
Keyword:
造影MRI
,
enhanced MRI
,
腰部椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
硬膜外瘢痕組織
,
epidural scar tissue
pp.551-561
発行日 1994年5月25日
Published Date 1994/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901362
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抄録:今回は,腰部椎間板ヘルニアと周囲組織との間に生ずる硬膜外瘢痕組織に焦点を当て,造影MRIの検討を行った.対象は当科にて治療を行った腰部椎間板ヘルニア44例である.なお,手術を施行した18例では,ヘルニアおよびその周囲の硬膜外組織を光顕および電顕下に観察し造影MRIと比較・検討した.また造影MRIによって,ヘルニアを3つのタイプに分類した.すなわちヘルニア周囲の造影されたものと,造影されなかったものに分類し,さらに造影されたものを一部造影されたものと,全周が造影されたものに分類した.造影後のT1強調像では,66%において硬膜外瘢痕組織が高信号域を呈しヘルニアの神経根への圧迫面がより明瞭に描出された.手術を施行した18例中の16例(88.9%)で造影MRIにより硬膜外瘢痕組織の造影効果が認められた.なお,ヘルニア周囲が一部造影されたものは母髄核と連続したヘルニアであり,全周造影されたものは脱出・遊離したヘルニアであった.そして手術時採取した硬膜外組織は豊富な血管を有する膠原線維組織から成り,密着班(gap junction)・窓(fenestra)を有するleaklyな新生血管がみられた,すなわち,造影MRIによる硬膜外瘢痕組織の造影効果は,Gd-DTPAが容易に血管外に漏出した結果生じ得ることが形態学的に証明された.
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