Japanese
English
臨床経験
Ochronotic arthropathy(アルカプトン尿症性関節症)の1例
A Case of Ochronotic Arthropathy
清水 泰雄
1
,
芳村 直
1
,
小関 博久
1
,
藤巻 悦夫
2
,
森 義明
2
Yasuo Shimizu
1
1社会保険相模野病院整形外科
2昭和大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Syakaihoken Sagamino Hospital
キーワード:
アルカプトン尿症
,
alcaptonuria
,
変形性股関節症
,
osteoarthritis of the hip
,
全人工股関節置換術
,
total hip replacement
Keyword:
アルカプトン尿症
,
alcaptonuria
,
変形性股関節症
,
osteoarthritis of the hip
,
全人工股関節置換術
,
total hip replacement
pp.967-970
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900411
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抄録:ochronosis患者で一側の股関節に変形をきたしたochronotic arthropathyに対し観血的治療を行った症例を経験した.症例は67歳女性,60歳頃より左股関節痛と腰痛があったが放置していた.脊柱の可動域制限と両眼強膜,両耳介軟骨に青黒い色素沈着を認め,日整会股関節判定基準で39点であった.尿は24時間放置で黒色に変化し,Benedict,Nylander反応で陽性を示した.単純X線では椎体が融合し椎間板は狭小化し,wafer様石灰化像を認めた.左股関節に対しTHRを行った.骨頭は象牙様変化を示し,関節包は黒炭様色素沈着を認めた.術後1年の現在,経過は良好である.アルカプトン尿症はホモゲンチジン酸が酸化酵素欠損により体内に蓄積され,尿中に排出される常染色体劣性遺伝の代謝性疾患であるが,股関節に変性をきたしたものは少ない.根本的治療がないため,早期診断,早期治療によりできる限り身体障害を最少限にとどめることを念頭に置く必要がある.
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