境界領域
Ochronotic Arthropathyについて—特に病理組織変化を中心に
広畑 和志
1
,
小林 郁雄
1
Kazushi HIROHATA
1
1神戸大学医学部整形外科
pp.709-718
発行日 1967年7月25日
Published Date 1967/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904261
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いとぐち
アルカプトン尿症は遺伝性代謝疾患であり,ochronosisあるいはochronotic arthropathyの病名はそれに引き続いておこつた,いわば,変化した結合織の状態に対してつけられたものである.
O'Brienらの広汎な文献的考察によれば,1584年Scriboniusのアルカプトン尿症の最初の記載からVirchow(1866年)のochronosisの命名を経て1963年までの間に世界35ヵ国から,これらの疾患の604例が報告されている.本邦でもAbeら,池内,山本らの代表的なものを含めて,約20数例が報告されているが,比較的珍しい疾患の一つである.アルカプトン尿の出現に関しては,すでに多くの生化学的研究によつて明らかにされているごとく,tyrosine,phenylalanineの中間代謝産物であるhomogentisic acidの分解酵素のhomogentisic acid oxidase(homogentisicase)(La Du)の欠如によることは一致した見解となつている.
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