Japanese
English
臨床経験
橈骨茎状突起離断性骨軟骨炎の1例
A Case Report of Osteochondritis Dissecans of the Radial Styloid Process
小野 浩史
1
,
矢島 弘嗣
1
,
中田 浩司
1
,
玉井 進
1
Hiroshi Ono
1
1奈良県立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Nara Medical University
キーワード:
離断性骨軟骨炎
,
osteochondritis dissecans
,
橈骨茎状突起
,
radial styloid process
,
de Quervain病
,
de Quervain's disease
Keyword:
離断性骨軟骨炎
,
osteochondritis dissecans
,
橈骨茎状突起
,
radial styloid process
,
de Quervain病
,
de Quervain's disease
pp.71-74
発行日 1991年1月25日
Published Date 1991/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900269
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抄録:上肢における離断性骨軟骨炎は,肘関節,肩関節に多く見られる.しかし,手関節では舟状骨や月状骨に数例の報告があるだけで橈骨茎状突起の発生例は見られない.今回,我々は橈骨茎状突起に発生した離断性骨軟骨炎によるde Quervain病を経験したので報告した.症例は39歳,男.職業は製造業(手仕事).手関節の外傷歴はない.平成元年1月より右手関節橈背側に疼痛出現し,6月疼痛軽減しないため当科受診.X線写真にて橈骨茎状突起関節面に遊離骨片を認め,これによる手関節橈側の滑膜炎が背側手根靱帯第1区画へ波及しde Quervain病を併発したと考えた.手術にて骨片切除し,背側手根靱帯第1区画の切開を行ったところ,症状は消失した.橈骨茎状突起舟状骨間関節面は,手関節橈側の荷重集中部分であり,手を頻回に使用することによりここにストレスが集中し,dorsal radiocarpal archの血行障害を伴って離断性骨軟骨炎を生じたと考えられる.
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