Japanese
English
臨床経験
下垂体性無月経に合併した大腿骨頭すべり症の1例
A case of Slipped Capital Femoral Epiphysis with Pituitary Hypogonadism
川原林 顯昌
1
,
橋本 秀輝
1
,
中山 治樹
1
,
張 京
1
,
平澤 泰介
2
Akiyoshi Kawarabayashi
1
1六地蔵総合病院整形外科
2京都府立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Rokujizo General Hospital
キーワード:
大腿骨頭すべり症
,
slipped capital femoral epiphysis
,
無月経
,
amenorrhea
,
下垂体性性機能不全
,
pituitary hypogonadism
Keyword:
大腿骨頭すべり症
,
slipped capital femoral epiphysis
,
無月経
,
amenorrhea
,
下垂体性性機能不全
,
pituitary hypogonadism
pp.75-78
発行日 1991年1月25日
Published Date 1991/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900270
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:下垂体性無月経に合併した大腿骨頭すべり症の1例を経験したので報告する.症例は16歳,女性.階段でつまずいた際左股関節に激痛を生じ,歩行不可能となって当科を受診した.身長155cm体重43kgと標準的であったが,乳房の発育,恥毛など第二次性徴,初潮は認められなかった.内分泌学的検査ではLH,FSH,エストロゲンの低値を認めた.急性型大腿骨頭すべり症と診断し,牽引によって整復後,Kirschner鋼線による固定術を施行した.術後7カ月で抜釘を行い,経過良好である.原発性無月経に関してはLH-RH負荷試験にて下垂体性無月経と診断され,ゴナドトロピン療法を行い消退出血,第二次性徴が認められた.本症は男性に好発し,女性では初潮後の発症が認められないことより,発症に性ホルモンが関与していると考えられている.テストロゲンには骨成熟作用があると報告されており,本例の発生にはエストロゲンの低下が関与していると推察された.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.