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あとがき
糸満 盛憲
pp.526
発行日 2008年5月25日
Published Date 2008/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101295
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ちょうど桜が満開になった.なぜだか今年は全国に先駆けて東京と静岡で開花し,西日本に広がるという変わった現象が起きている.この時期,卒業式,入学式と大学では多忙な時期であり,病院では退職者が出る一方,新しい研修医が入ってくる季節で,入局者が増えた,減ったという話題でにぎやかになって,悲喜こもごもである.
報道では「産婦人科や小児科医が足りない」というニュースのみが強調され,全体の医師数が不足していることは故意に伏せられているように思われる.新研修システムが始まって以来,全体の医師不足に加えて後期研修医の外科系離れが顕著になり,整形外科入局者も減少傾向にある.外科系はいわゆる3K職場ということらしい.半日もあれば仕事が終わる精神科と,早朝から深夜まで術前術後の患者管理に追われ,緊急手術などで一睡もできていない状態でも翌日の仕事をせざるをえない外科系各科の医師と比べると,同じ給料でアルバイトし放題の楽な科に流れてしまう.入局者が減ると当然医師一人当たりの仕事量は増えるわけで,ますますストレスフルな環境になっていくといった悪循環になる.実に困った現象が起こっている.
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