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あとがき
糸満 盛憲
pp.838
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101121
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巨大で強力な台風4号が沖縄から九州・四国・近畿地方を襲った.その進路から,関東地方にも大きな被害をもたらすのではないかと心配されたが,南の海上を東に駆け抜けたため,首都圏には恵みの雨をもたらしただけで被害らしい被害はなかった.この時期にこのような強大な台風が発生するのは,エルニーニョならぬラニーニョ現象で南の海水温が異常に上昇したためだといわれている.地球温暖化が原因だという.地球上のあちこちで異様な現象が起こっている.この時期の台風は,通常,九州地方から朝鮮半島ないしは日本海にまっすぐに駆け抜けていくものである.しかし台風4号は予想に反して,まるで秋口の台風のように日本列島に沿って大きくスライスした.これも大陸の高気圧の強さや太平洋の気圧配置の影響を受けているのであろうと思うと,何だか気味が悪い.
台風一過でほっとしていたら,新潟県中越地方で震度6強の地震が発生した.新潟県沖の巨大なまずが3年という短い間隔で大暴れした.一度大きなエネルギーを放出すると,なまずは長い静かな眠りに入るものであるが,今回はそうは行かなかった.まだ完全に復興していない中越地方の方々には本当に気の毒である.特に被害の大きかった柏崎市には原子力発電所がある.幸い,大きな事故には至らなかったが,もっと大きななまずが尻尾を振り回していたらどうなったか誰にもわからない.
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