文学漫歩
—ベルンハルト・シュリンク(著)松永美穂(訳)—『朗読者』(2000年,新潮社 刊)
山中 英治
1
Hideharu YAMANAKA
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.1412
発行日 2002年10月20日
Published Date 2002/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905000
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診療報酬改定で,ちゃんとした褥瘡対策をチーム医療で行っていないと減算となった.十数年前に赴任した過疎地の病院の療養型病床では,寝たきり高齢者の仙骨部にできている褥瘡を,天気の良い日には天日干しにしていた.幹燥していかにも清潔そうに見えたが,何年経っても治る気配はなかった.今ではキズはドライにすれば悪化して,湿潤環境に保てば治癒が促進するというのは(とくに看護部の間では)常識だが,内科医では御存じない方も少なくない.
今年の外科代謝栄養学会の栄養評価のセッションで,栄養サポートチーム(NST)の臨床検査技師の発表があり,血清アルブミン濃度は採血時の体位(座位と臥位)の違いで有意差があるので,考慮して評価するべきだとの要旨であった.これは検査技師では常識だそうだが,会場の医師はほとんどが知らなかった.
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