文学漫歩
—川端康成(著)—『雪国』(1947年,新潮社 刊)
山中 英治
1
Hideharu YAMANAKA
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.377
発行日 2002年3月20日
Published Date 2002/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904809
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国境の長いトンネルを抜けると雪国であった.夜の底が白くなった.
書き出しの見事さでは,この「雪国」の冒頭に優るものはないと思う.さすがにノーベル賞選考委員もお目が高い.「夜の底が白い」とは詩歌のような表現だが,「みだれ髪」や「サラダ記念日」には見られない男性的な視野であると思う.
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