文学漫歩
—柳田邦男(著)—『「死の医学」への序章』『「死の医学」への日記』(1986年,1996年,新潮社 刊)
山中 英治
1
Hideharu YAMANAKA
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.810
発行日 2001年6月20日
Published Date 2001/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904490
- 有料閲覧
- 文献概要
奈良の生家から自転車で15分程の矢田寺(金剛山寺)には,梅雨時に8,000株の紫陽花が咲きます.ピンク,水色,紫などの花々が雨に濡れた境内の風情は格別です.季節の花々は心を和ませてくれます.あの豪放磊落と言われた名外科医中山恒明先生が「小さい頃から花が好きで,学生時代も医師になってからもずっと庭で花を上手に咲かせていた」と『糖尿病とともに90歳(扶桑社刊)』で述べられているのを読み,繊細で優しい先生なのだと嬉しく思いました.
岸和田は西は海,東は山で東西に細長い市です.山側は山村で庭があって家族も多い家が多く,末期癌の患者さんも住み慣れた自宅で庭の花など観ながら家族に囲まれて過ごしたいと希望されることが多くなってきました.訪問看護部も熱心で優秀なナースが多く,安心して任せられるので,希望があれば在宅に移行して,医師もできるだけ往診に同行するようにしています.私などはほとんど喋りに行ってるだけですが,大層歓んで頂けるので有り難いです.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.