特集 輸液:その組成・アクセス・管理
病態に応じた輸液—(7)代謝性アシドーシスの場合
古畑 智久
1
,
平田 公一
1
,
木村 康利
1
Tomohisa FURUHATA
1
1札幌医科大学第1外科
キーワード:
代謝性アシドーシス
,
アニオンギャップ
Keyword:
代謝性アシドーシス
,
アニオンギャップ
pp.589-590
発行日 2000年5月20日
Published Date 2000/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904103
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代謝性アシドーシスの成因
代謝性アシドーシスの成因は,塩基(HCO3—)の喪失,酸(H+)の産生過剰・過剰供給・排泄障害に大別される(表1).臨床の現場では,これらの中でいずれの原因によって代謝性アシドーシスの病態となっているかを診断することがきわめて重要と考えられる.
代謝性アシドーシスは,アニオンギャップ(AG)を測定することによって分類することができる(表2).AGとは血中Na+濃度から(Cl—+HCO3—)濃度を減算した値でCl—とHCO3—以外の陰イオンの総和を表す.正常値は10〜15mEq/lである.代謝性アシドーシスの中には,AGが正常域のものと上昇しているものがある.AGが上昇している場合は,陰イオンである無機酸(PO4—,SO4—)や有機酸(乳酸,ケト酸),蛋白が増加していること示している.
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