特集 輸液:その組成・アクセス・管理
病態に応じた輸液—(8)代謝性アルカローシスの場合
木村 康利
1
,
平田 公一
1
,
古畑 智久
1
Yasutoshi KIMURA
1
1札幌医科大学第1外科
キーワード:
代謝性アルカローシス
,
gastric alkalosis
,
contraction alkalosis
Keyword:
代謝性アルカローシス
,
gastric alkalosis
,
contraction alkalosis
pp.591-593
発行日 2000年5月20日
Published Date 2000/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904104
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はじめに
代謝性アルカローシスは,血漿HCO3—が一次的に増加して血液pHが上昇傾向を示す病態であり,代謝性アシドーシスと共に日常臨床においてしばしば遭遇する酸塩基平衡異常である.通常の代謝状態においては,常に老廃物としての不揮発酸が生成され,一方でそれに見合うHCO3—が生成されて消費され,結果として血漿HCO3—は正常範囲に保持されている.ところが,何らかの原因により,周術期においては体外へH+を失ったり,HCO3—あるいはその前駆物質が生体内に負荷されて,血漿HCO3—が高値で維持された状態が続くとアルカローシスが形成されることとなる.
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