カラーグラフ 消化器の機能温存・再建手術・16
肛門括約筋温存直腸切除術
所 忠男
1
,
肥田 仁一
1
,
進藤 勝久
1
,
安富 正幸
1
Tadao TOKORO
1
1近畿大学医学部第1外科
pp.1519-1524
発行日 1999年12月20日
Published Date 1999/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903971
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はじめに
直腸癌の治療は手術療法が第1に選択され,根治性については治癒切除率は80.5%,その5生率は73.0%(全国集計)と高く,手術療法の根治性はある一定のレベルに到達した.
しかし,長期生存患者の中にはオストメイトの増加や拡大郭清による排尿障害,男性性機能障害などの後遺症が高率に認められ,術後患者のQOLについては十分な結果が得られているとはいい難い.これらの問題を改善するために手術療法は括約筋温存手術や自律神経温存手術へと発展した.腹会陰式直腸切断術が80%の直腸癌患者に行われていた時代から,現在では約80%に前方切除術を代表とする括約筋機能温存手術が行われるようになっている.
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