特集 外科医のための大腸癌の診断と治療
5.大腸癌の外科治療
■開腹手術
括約筋切除による肛門温存手術
赤木 由人
1
,
白水 和雄
1
,
衣笠 哲史
1
,
石橋 生哉
1
,
田中 克明
1
,
白土 一太郎
1
,
龍 泰彦
1
,
吉田 武史
1
,
五反田 幸人
1
,
弓削 浩太郎
1
Yoshito AKAGI
1
1久留米大学医学部外科学講座
pp.256-263
発行日 2010年10月22日
Published Date 2010/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103279
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■歯状線から口側にある腫瘍の肛門側進展はきわめて低率で,挙筋群や外肛門括約筋への浸潤は少ない.
■癌の浸潤が内肛門括約筋を超える(T3,T4)と疑われたら,部分的あるいは広範囲の外肛門括約筋切除(ESR)を行うが,切除後の病理診断では浸潤は小範囲にとどまっていることが多い.
■腹腔側からは直腸壁と肛門挙筋群との境界が不明であるが,腹腔側から1cmでも剥離をしておくと,後の経肛門操作が非常に容易となる.
■結腸肛門吻合は狭骨盤,肥満,分厚い腸間膜,大きな脂肪垂の症例では,腸管がスムースに肛門管を通過せず,圧迫による血流障害が起こりやすく縫合不全の確率が高くなる.
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