Japanese
English
特集 食道癌診療のトピックス
遺伝子異常と治療法の選択
Genetic abnormalities and treatment strategy
小澤 壯治
1
,
安藤 暢敏
1
,
北川 雄光
1
,
上田 政和
1
,
北島 政樹
1
Soji OZAWA
1
1慶應義塾大学医学部外科
キーワード:
c-erb B
,
cyclin D 1
,
遺伝子増幅
Keyword:
c-erb B
,
cyclin D 1
,
遺伝子増幅
pp.1293-1298
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902861
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画像診断では検出できない微小のリンパ節転移や臓器転移が食道癌根治術後に増大して,再発・転移巣として明らかになることがある.遺伝子異常から食道癌を捉え,従来の診断法に遺伝子異常の情報を加味した総合診断が望ましいと考えられる.教室において長年注目してきた癌遺伝子c-erb Bとcyclin D 1の異常とその治療法選択への応用について検討した.c-erb B増幅は予後因子とリンパ節転移予測因子であり,3領域郭清やm3/sm1症例の治療法の選択に利用しうる.cyclin D 1増幅は予後因子と臓器転移予測因子であり,臓器転移危険症例に対する縮小手術・化学療法の選択に用いられる.これら遺伝子異常の情報を臨床病理学的指標と組み合わせることで,より適切な治療法が選択可能になると考えられた.
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