特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
13.内視鏡下外科手術
胸腔鏡下食道切除術
川原 英之
1
,
櫻井 孝志
1
,
山内 健義
1
,
河地 茂行
1
,
山本 貴章
1
,
井上 聡
1
1川崎市立井田病院外科
pp.272-276
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902491
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胸腔鏡下手術に共通する利点は,(1)肋間筋の損傷がほとんどなく術後の回復が早い,(2)術後遠隔期での呼吸機能障害が軽い,(3)創の違和感やひきつれが少なく,美容上も優れている,などである.胸腔鏡下食道切除は,一部のリンパ節を除けば従来の開胸食道切除に近い根治度が可能である.手術適応についてはまだ確立されていないが,(1)深達度A1程度まで,(2)高度のリンパ節転移を認めない,(3)分離片肺換気が可能である,(4)高度の胸膜癒着がない,などである.術前検査は基本的には従来の開胸手術に準じるが,胸腔内の触診ができないため術前に十分な検索が必要である.
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