カラーグラフ 内視鏡外科手術に必要な局所解剖のパラダイムシフト・1
胸腔鏡下食道切除術
村上 雅彦
1
,
加藤 貴史
1
,
大塚 耕司
1
,
五藤 哲
1
,
牧田 英俊
1
,
草野 満夫
1
Murakami Masahiko
1
1昭和大学医学部一般消化器外科
pp.1239-1246
発行日 2004年10月20日
Published Date 2004/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100749
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はじめに
食道癌に対する胸腔鏡下食道切除術は1993年のCuschieriら1)の報告を始まりとする.わが国においては1994年の川原ら2)の報告以来,症例数は年々増加しているが,胸腔内リンパ節郭清手技の難しさから,いまだ施行施設が限られているのが現状である.本法は大開胸による術後呼吸機能障害の軽減や創痛の軽減の点からは,きわめて意義の高い手技と思われる.胸腔内へのアプローチ法としては小開胸併用3)と完全内視鏡下4)に大きく二分される.腹腔鏡下アプローチと違って,視野確保のための気腹操作を必要としないが,肺や気管の圧排による視野確保が重要であり,ポート位置によって操作性が固定されてしまうため,難易度は高い手術とも言える.
われわれは1996年末から胸腔内完全鏡視下食道切除術を開始し,約130例に本法を遂行し得た.本稿では,手技のポイントについて説明する5).
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