特集 術後1週間の患者管理
Ⅲ.注意すべき状態の患者管理
透析中の患者
矢野 誠司
1
,
仁尾 義則
1
,
田村 勝洋
1
1島根医科大学第1外科
pp.346-347
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902087
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近年,透析医療の進歩により慢性透析患者にも比較的安全に手術が行われるようになった.しかし,透析患者は慢性腎不全というだけでなく,体液のアンバランス,心機能異常,電解質・酸塩基平衡異常,糖・脂質・蛋白・アミノ酸異常,内分泌異常など全身疾患としての特殊な病態を有するため,手術をするうえでのリスクは高く,種々の合併症を併発する危険性を常に秘めている.また,易感染性,創傷治癒の遅延,出血傾向,貧血など手術に不利な条件を兼ね備えていることが多い.よって,手術を施行するにあたっては,術前から十分な予防的処置が必要であり,術中・術後においても細心の注意と管理が要求される.
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