特集 術後1週間の患者管理
Ⅲ.注意すべき状態の患者管理
肥満の患者
矢野 雅彦
1
,
塩崎 均
1
,
門田 守人
1
1大阪大学医学部第2外科
pp.348-349
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902088
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肥満とは,体内の脂肪組織量が正常範囲を越えて異常に増加した状態で,その成因により明らかな原因疾患の認められない単純性肥満と,内分泌疾患など何らかの疾患に随伴してみられる症候性肥満とに分けられる.ほとんどが単純性肥満であるが,症候性肥満の可能性がある場合は詳細な病歴,家族歴,薬剤服用歴の聴取や,血中の各種ホルモンを測定し,背景にある基礎疾患の十分な把握と術前のコントロールが必要である.
肥満の程度の判定には表に示すように種々の方法がある.理想的には体脂肪量を基準にすべきであるが,体脂肪量を直接測定するのは実際的ではないので,臨床的には身長と体重から体脂肪量を推定する.肥満患者の手術にあたっては,特に標準体重比が2.0を超える高度肥満患者morbid obesityの取り扱いが問題になる1).
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